今日は特別な日

今まで経験した病の備忘録や、興味があることについて綴っていきます。

抑うつ状態⑤精神科に行った日

ついに精神科の予約の日が来ました。
自分の状態をうまく話せる自信が無かったので、その日に向けて何度も何度も話す練習をしました。

私がこんな状態になったのはステロイド薬を長く飲み過ぎたせいだ
だから私は普通にうつの状態になったわけじゃない
ただ、主治医の先生に行くよう言われたから、仕方なく行くし、通うつもりは無いし、抗うつ薬も飲むつもりは無い
そんな気持ちでした。

それでも、精神科の先生に診てもらったら、良くなるのかもしれないなんて期待はありました。

精神科病院は静かで人も少なく、まるで時間外受付の病院の様でした。
私の担当の先生は男性で、ドラマ「真犯人フラグ」の阿久津刑事(後半ナレーションも務めてた人)にそっくりでした。
女性の先生が良かったな..と思いながらも練習通りに症状を話しました。
あまり酷い状態だとは思われたくなくて、希死念慮があることは話せなかったです。

阿久津先生は、言いました。
「それだけ強く思う根拠があるのなら、あまり聞いたことはありませんが、ステロイド薬が原因なのでしょう。今はエネルギーを使い果たして、力が出ない状態なので、回復するまでは何もしないでください。家事も家族に理解と協力をしてもらってとにかく何もしないで回復するのを待ってみて下さい。
耳鼻科の先生には、ステロイド薬は減らしていっても大丈夫だと、伝えてください。
飲まない選択肢もありますが、抗うつ薬を飲めば、飲まない場合と比べると早く回復できるはずですよ。」

あんなに抗うつ薬は飲みたくないと思っていたのですが、早く回復するという言葉に迷ってしまって、処方してもらうことになりました。

私は、阿久津先生がすんなりとステロイド薬が原因だろうと認めたことが引っ掛っていました。私の言う通りだなんて言うなんて自分の意見は無いのか。医療は所詮統計学で、特に不調が数値や見た目で現れない精神疾患は、病院に掛かっても意味ないんじゃないか。
ただ話しただけなのに、お金も掛かるし...

あの先生は胡散臭いという思いと、精神科に掛かることへの納得できない思いがありました。
帰宅してすぐに、次回の予約をキャンセルしました。処方された抗うつ薬は飲まなかったです。

今思うと阿久津先生は良い先生だったんじゃないかと思います。
しっかり話を聞いてくれたし、私の意見を否定せず肯定した上で過ごし方を指導し、強制的ではなく抗うつ薬を飲むよう誘導してくれました。
もしかしたら、ステロイド薬が原因とは判断していなかったのかもしれないです。
本当の所はどうだったのか、今となってみてとても気になるところです。

精神疾患の治療中は、主治医との信頼関係が重要だそうです。それと同時に、病んだ状態で誰かを信頼するということはとても難しいことだと思います。私は当にそれが出来なくて、精神科に通って治療するという選択を出来なかったのです。